パキシル
僕がこの薬を飲み始めたのは10年以上前になると思う。
今でもこの薬がメインの薬である。
SSRIと呼ばれる薬で選択的セロトニン再取り込み阻害薬を略してそう呼ぶらしい。
要は脳内のはセロトニンを濃度を高める薬らしい。
これ以上は、よくわからないがうつ症状、不安に効果があるとされている。
僕は小学生の頃から強迫障害のような状態になり、それにともない後悔や
絶望感などがともない鬱状態でもあったように思う。
この薬を飲むようになってから、改善して来たというのが僕の感想である。
どんな効果があったかというと、ひどく落ち込むことがなくなったということである。
メンタル系の薬にはいろいろな意見があるようで、飲むべきではないという意見もある。
僕もメンタル系の薬を飲むことにより、本来の自分ではなくなってしまうのではないか
という恐怖から抵抗感があった。
それで、自分なりに改善しようと薬は飲まず、数年努力したが、一向に改善せず絶望感でいっぱいだった。
それに精神科の門を叩くことは、かなりの勇気が必要だった。
社会的なスティグマがあるからだ。自分の状態の苦しみもさることながら
スティグマに対する恐怖で、僕はそれに輪をかけて苦しい状態にあった。
だが、新しい手を使う必要があると追い込まれた僕は、なんとかかんとか精神科の門を叩き、薬を飲むことにした。
正直言って最初は、やっぱり怖くてまともに飲まなかった。
紆余曲折があり、医師と相談しつつ基本的に処方通りに今は服用している。
結論としては、間違ってはいなかったと思っている。
今こうして社会人として生活できているのが、それを意味しているのだと思っている。
しかし、僕も薬はあくまで、補助であり、薬だけでは本来の改善は難しいと思っている。
努力は必要だと思う。すごく基本的な例で言うと生活のリズムを整えたり、体を動かしたり、本を読んで知識を得たり、ネットで有益な情報を探して試してみたり。
核となる部分、本質、原因がわかれば、それに取り組み改善できるだろう。
しかし、何が核なのかを見つけるのが難しい。目に見えないものだからだ。
骨折などの外科的なもの、あるいは内科的なものでも目に見える形で原因を特定できる。
こころの問題はあるいは脳の問題なのかもしれないが、原因を目に見える形ではっきりと
特定することができないというのが現状だと思う。
僕が勤めている会社でもメンタル的な問題で一時的に休職する人は何人かいる。
あまり長い期間休職せずに復職する人もいるし、一年経っても復職できない人もいる。
まさか自分がこうなるとは思ってなかったとある同僚は語っていた。
そういったことで、苦しんだものの一人として精神医療(精神医療という言葉が適切かわからないが)、抜本的に見なすべきだと思っている。
体の健康同様、心の健康もとっても大切ですよ。
それに人間は体だけで生きてるんじゃないですよ。
というか、むしろ心で生きてると思います。